ふくろう待望のO谷さんの沢稽古、先週(寒水沢・https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8649863.html)に続き、第二弾は、白神山地の大川。
メンバーは、O谷・N山・ふくろうのお久しぶりの3名です。
朝の時点で前日からの雨がまだ降っていて、川は増水が予想されたので、当初の目的を変更して今日は行けるところまでGO!




まずは入渓ポイントまで1時間林道を歩きます。
そしていよいよ入渓!
…ところがまさかの!いや、わかっていたけれども!!濁り水&激流だ〜。
しかしこれまで散々O谷さんの武勇伝や実際の働きぶり(というとなんか偉そうだけど)を見てきた我々弟子陣は、(まあ師匠のことだからなんとかするのだろう)と心のザワつきは見なかったことにする。
すると団体が後ろからやってきて、えっこんな日にやってくる人、我々以外にもいるの…? お顔を見たら、流転の会長はじめどこかでお会いしたことがある皆さま勢揃いでした。我々みんな、まるで火に吸い寄せられる虫のよう。
そんなわけで、Oさんがまず立木から懸垂下降するように渡り、それに続く私たち。




圧倒的な水圧と戦うこれはまさに、水との突っ張り稽古、いやぶつかり稽古?いやどっちでもいいや。とにかく入渓するだけでずいぶん時間がかかってしまった。
そんなわけで今日のo谷道場は、万が一の増水時にテンパらないための渡渉稽古に決まりました。
次から次へと渡渉は続く。




さすがお師匠さん、全く動じる様子もなく、高い立木に捨て縄で支点を作り、ロープ2本を接続。続いて安全な場所まで横移動して、懸垂下降用支点も構築し、ロープの余り部分を使って懸垂下降してきた。
何をしているのか、何をしたいのか全くわからないまま寒さに震えつつ作業を見守っていると、降りてきたoさんはそのまま懸垂下降の要領で濁流を渡って行った。
続いて私も頑張る。今度はoさんからちゃんと指示があった「懸垂下降の体勢ちゃんと作れ!」
水流が重力と思ってロープに身を任せれば、なるほどさっきよりずいぶん安定して踏ん張ることができた。oさんのやり方はいつもこうだ、まずはやらせて失敗・怖い経験をさせる(もちろん安全は確保された上で)。それから正しいやり方を教える。怖い思いをしているだけに、正しいやり方はすんなり体が覚えてくれる。



入渓から2時間でようやく常徳沢出合いに到着。この頃には晴れ間が覗くようになってきた。心なしか水も澄んできたような気がする。ここでしっかり休憩をして今日は引き返すことになった。本チャンは来週に持ち越しだ!




休憩中にショートロープの話になり、するとoさんはささっと「これのことだべ?」と確保体勢に。まさかのN川さん以外にも、こんなのパッと出来る人いるのか。
私も負けずに「私だってやれますよ!」と対抗し、oさんがお疲れだろうと思い、帰りはショートローピングでしっかり確保させていただきました!

みるみる天気は回復し、綺麗な白神の沢に戻っていきました。今回は筋力的な疲れより、プールのあとの倦怠感のような疲れが残りました。
oさんのやり方は素人目にはとても危なげに見えるかもしれませんが、oさん自身ははもっと大きな修羅場を何度も経験していて自信があるからやっているのがわかります。いつも天気の良い沢ばかり歩いていては、いつか突然の増水に見舞われた時に対応できず、誤った判断をしてしまうかもしれません。oさんと沢へ行くたびに、私は沢は怖いところだと痛感します。でもそれは本来持つべき正しい意識なわけで、沢は怖いと知った上で、どのように策を講じるか。それを毎回学んでいます。
沢は本当に危険だらけで、ちっぽけな人間なんて簡単に命を持っていかれます。でも一方で、知恵と工夫で(あと最低限ボルダリング練習も)リスクをチャンスに変えていけるのも人間じゃないかなと思います。
o谷道場では、そんな知恵をつけたい練習したい、やる気ある人を随時募集中です!(oさん、これでいいですか?)
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