毎年この時期、恒例となっているＯさんとの岩手山山行。今年は、御神坂－網張縦走とナイトハイクを計画する。先月、黒伏に行ったときに満月だったので、たぶんそれに近い月だろう。月明かりでお鉢を歩きたいと思った。

 

【１１．１２．土】　小雨のち晴れ
御神坂Ｐ 10:00　－　不動平小屋着 15:00　　発 15:20　－　頂上 16:00　－不動平小屋 16:40
不動平小屋 19:00　－　神社奥宮参拝　－　頂上 20:20　－　不動平小屋 20:50

 

東京から朝一の新幹線に乗ってＨさんも参加とのこと。小雨が降る中、盛岡でピックアップする。網張温泉ＰにＦさんの車をデポし、御神坂Ｐへ向かった。

 

岩手でも水・木曜日で降ったのだろう。切接で、もう雪が出始める。毎週、精力的に歩いているＯさん、どんどん先頭を行く。私は息切れしながら、ついていく。
わらじ脱ぎ場で先行する男性に追いつく。２５年ぶりに登山を再開し、少しずつ体力をつけているとのことだった。今日も日帰りで行けるところまでいくとのこと。
雪はくるぶしくらい。大滝展望台、笠締と、休憩を取りながら登る。笠締過ぎると、アルプスチックな景色ににテンションが上がる。青空に雪がついた岩場が映える。明日行く鬼ヶ城の稜線もかっこいい。
登山道がかろうじてわかる程度の雪だったので、ハイマツ帯を歩いて足をとられることもなく、スムーズに鬼ヶ城分岐まで。

 

二階の扉から不動平小屋へと入る。今日は、あと誰も来ないだろう。思ったより風も穏やかで暖かいので、ザックを置いて、アイゼンを履き、すぐ頂上へ行くことにする。Ｆさんは調子が悪いとのことで、ナイトハイクに備え、途中で戻った。

 

お鉢は穏やかだったが、ちゃんとエビのしっぽも育っていた。夕日をバックに頂上で写真を撮る。下界には岩手山の陰がくっきりと映っていた。

小屋に戻って夕食を摂る。お餅入りの鍋と焼き肉、Ｈさんが担いできてくれたスパークリングワインと豪華だ。久しぶりに会うＨさんと、今年入会したＦさんとも会話が弾み、楽しい夕食だった。

 

遅くなると面倒くさくなるとのことで、１９時にお月見ナイトハイクに出発する。盛岡の夜景がきらきらときれいだ。月は満月にはまだ少し早かったが、ヘッテンが無くても十分に歩ける明るさだった。（後で知ったが、この２日後がスーパームーンだった。）　寝転んだり、派手にポーズをとって夜景モードで写真を撮るが、風で手元がブレてしまい、いまいち上手く写っていない感じ。思う存分、はしゃぎまくる。奥宮で、一人ずつお願い事をして、またお鉢に登り返す。真っ白な世界に自分たちしかいない、静かな時間がゆっくりと過ぎていく。贅沢なお散歩だと思った。
頂上に向かっているその時、東の空からオレンジ色のでっかい火球が落ちてきた。見たこともない大きさと明るさに、「あー！あー！あー！あー！」と、あー！しか、口から出てこなかった。とてもゆっくりと長い時間、落ちていた。やっと他の３人も気づいてくれ、見てくれた。我に返り、最後に願い事を1回だけ唱えることができた。
たまに火球が落ちてきたことがニュースとなるが、本当に目の前に落ちてくると、慌ててしまって、言葉にならなかった。流れ星というには大き過ぎた。月もきれいだったが、この火球を見れたことが、一番エキサイティングだった。たぶん、もう、こういうチャンスには巡り会わないだろう。
後日調べたら、牡牛座流星群の日だったようだ。でも、どこにも火球が落ちたニュースが見当たらなかったので、もしかしたら夢だったのかもしれない…。でも、本当に本当です。

 

【１１．１３．日】　強風・曇り
ご来光参拝 5:30　－  6:30　　 　不動平小屋 8:00  －　御神坂Ｐ 10:40

 

屋根をガタガタガタと、何かが転がって落ちていく。風が強いみたいだ。氷が飛ばされて屋根にぶつかった音だろうと、Ｏさんは言っていた。
扉を開けると、それほどでもないと思ったが、歩いてみるとやっぱり強い。お鉢まで行くが、体がふわっと持って行かれてしまうので、耐風姿勢をとりながら進む。昨日、２回も頂上を踏んだので、今日はいいか…と、諦めることにする。下りながら、雲海から登る御来光を拝む。

朝食を食べて、すぐ下山する。強風なので、鬼ヶ城－網張ルートを断念し、御神坂を下りることにする。雪はなく風だけなので、視界良好で、早く下りることができた。気温が上がり、雪はぐずぐずし始めていた。昨日のきりっと引き締まった冬山の景色はもう無くなっていた。
車道にでると、昨日、わらじ脱ぎ場で会った男性とすれ違う。今日もトレーニングで登って、えらいな。駐車場までの近道を教えてもらい、ラッキーだった。

 

網張の日帰り温泉に入り、そば冷麺を食べてから、帰青した。刺激的で楽しい冬山スタートとなって、大満足だった。