【3月19日】曇り
美濃戸口-赤岳鉱泉-小同心クラック-横岳-地蔵尾根-行者小屋
冬にチャレンジしたが、雪がひどくて取付まで行けなかった小同心クラックにリベンジする。
大同心稜を登り、基部から続くバンドから大同心ルンゼを右上にトラバースすると、二つの岩峰、小同心右岩峰と左岩峰がある。その左岩峰のチムニーっぽい岩溝をたどる。クラックと言っても体がすっぽり入り、チムニーと言ってもいいくらいだった。
溶岩が冷えて固まった丸いぼこぼこした岩肌で、アックスだとかかりが悪いので、手で登った。ホールドもスタンスも豊富で、特に難しいということはなかった。なるべくスタンスを外に拾って、入り込まないようにした。
1ピッチ目 フェース - チムニーへ 40m Ⅳ-
2ピッチ目 急斜面のチムニー - 凹角を登り右へ 35m Ⅳ
3ピッチ目 バンドを左上して、小同心の頭へ 15m Ⅲ
そのまま岩稜伝いに登ると、横岳頂上へ出た。
【3月20日】晴れ後曇り
行者小屋-阿弥陀岳北西稜-阿弥陀岳-美濃戸口
北西稜の分岐にトレースがあってほっとするが、樹林帯を登り始めてすぐに無くなってしまっていた。急斜面の膝から股まで埋まるラッセルに苦しむ。もしかしたら、今日は取付まで行って稜の全貌を見て引き返すことになるのかなと、撤退の二文字が頭をよぎる。露岩を右にトラバースするくらいから、雪面が堅くなり潜り込みもなくなってラクになってきた。
急な雪壁を登ると、左側に北西稜が見えてきた。小ピークに辿り着くと、取付。
ナイフリッジが天に突き上げるように続いていて、かっこいい。でも、実際登ってみると、リッジはトラバースっぽくて難しくなかった。
最終ピッチまでのほとんどがトラバース気味で、イメージと違い、拍子抜けした。
最終ピッチの核心。難しいようなので、あぶみも持ってきていた。が、リードした相棒が、「大丈夫。いらない。」と、上から教えてくれる。そして、「めっちゃ楽しい!」という声も聞こえてくる。え~~~?本当???と、頭の中で壁を妄想しまくる。垂壁を直上し、核心手前のバンドを右にトラバース。すると、凹角になったホールドがほとんどない一枚岩のような壁があった。高さは思ったより高くない。
凹角に打ち込まれたハーケンをスタンスにしながら、登る。ホールドが無くて自分には難しかった。右上のリッジを使うよう、相棒がアドバイスをくれる。アックスが効くので伝って登り、なんとか乗り上げることができた。無事に北西稜を登ることができて、うれしかった。100mほど雪壁を登り稜線へ。分岐から稜線まで、5時間だった。
稜線を辿り、阿弥陀岳頂上へ。お地蔵様にお礼をし、下山。阿弥陀岳の下りはとても急なので、一般登山道と言えども気が抜けない。慎重に下った。
1ピッチ目 リッジ 40m Ⅱ
2ピッチ目 リッジ 50m Ⅱ
3ピッチ目 リッジ 60m Ⅱ
4ピッチ目 第1岩壁 バンドから草付きフェース 40m Ⅲ
5ピッチ目 凹角 - リッジ上へ 15m Ⅲ
6ピッチ目 バンドから第2岩壁の垂壁下へ 20m Ⅳ
7ピッチ目 垂壁からバンドを右に出て凹角へ 30m Ⅳ A0
とりあえず、今シーズンの目標達成できたので、うれしかった。相棒に感謝。
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