イグルには大きく分けて(イグルスキー米山氏に無断で小生が勝手に分類)、平地に雪のブロックを積んで造る「積上げ式イグル」と、斜面などの地形を活かした「堀込式イグル」がありますが、2026年1月4日に大岳環状No.30付近で堀込式イグルを築造した際の設計概念を紹介します。
堀込式イグルは、どこでも造れるわけではありませんが、斜面に2~3m程度の積雪があれば、横穴式雪洞を掘るよりも短時間で容易に築造可能です。先日の大岳環状では、粉雪のため屋根掛けに時間を要しましたが、一人で約1時間で築造できました。堀込式は上から掘りますので、横から掘る雪洞と比べて、掘削の作業効率が格段に高いからです。

・まず、①斜面の上を平らに均し、プローブで積雪の深さが3m程度あることを確認します。
・次に、②斜面の下を垂直に削り、出口の雪の奥行きが3m程度あることを確認し、③出口を縦横90㎝程度の断面で横に1mほど掘削します。
・横穴の掘削では、スノーソで縦横を9分割し(赤線)、真中のブロックをショベルで抜いた後(芯抜き)、周りのブロックをショベルで削り出します。
・その後、上部に移動し、自分を中心に直径1.2m程度の円を描き、④30㎝立法の雪のブロックを、その外側に並べます。(1段目)

・1段目のブロックの上面が内傾するようスノーソで削り、⑤1段目と同様のブロックを1段目のブロックの上に載せます。内傾させることで屋根を掛ける直径が小さくなります。
・三段目以降は屋根となるので、足元から大きなブロックを切り出し、⑥スノーソで厚さが10㎝程度となるよう、細長い雪板を作り、屋根を掛けます。
・屋根を掛け終わったら、出口から出られるよう、⑦出口に向かって床を掘り下げます。


・床を掘り下げながら、掘削した雪は⑨出口から排出します。ここまでは、竪穴を掘り下げている状態です。
・次に、屋根の基礎の強度を保つため、⑧基礎下から50~60㎝下げた位置から、竪穴を横に拡幅し、⑨出口から排出します。
・拡幅時は、ほぼ立った状態で作業が可能なので、極めて効率的に掘削が可能です。一人で築造の場合は、掘削と排雪を交互に繰り返します。

・最後に形を整えます。⑩出入口の天井や、竪穴の拡幅部分の肩は、強度を保つため、水平にせず、必ず円弧にします。
・また、⑪イグル床面は、酸欠防止や室内の冷気を排出するため、⑫出口の高さよりも高めにします。
・完成図では、2人用ツェルト(H1.1m×W1.3m×L2.1m)を内部に設営し、その外側をトイレや荷室にすることが可能です。

以上で、堀込式イグルの設計概念を紹介しました。次回は、積上げ式イグルの築造を紹介する予定です。

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