今年はオリンピックで祝日が動いたため、9、10月で唯一の3連休。
相棒はワクチン打ったら発熱し、数日仕事を休んだので休めないと言う。貴重な3連休なのに。。。「若い人は熱が上がりやすい」と繰り返し、若者アピールしてくる。はい、はい。わかりました。お仕事頑張ってね。
ということで、Oさんと二人で行くことに。まだ北条新村に行ったことがないから行きたいということなので、穂高に行くことにする。
9月18日 小雨
上高地12:45ーパノラマルート分岐15:50ー奥又白池18:25
初日は雨。様子を見てゆっくりスタート。午後から止む予報だったが、はずれ。びしょ濡れになり寒かった。
奥又白池。3連休だし何張かテントあるだろうと思ったら、誰もいなかった。2年前と同じ貸し切り。
担ぎ上げた食材で鍋を食べて温まる。夜には雨も上がり、月明かりがきれいだった。
9月19日 晴れ
奥又白池7:50ー北条新村ルート取付9:20ー登攀9:40ー登攀終了12:40ー北尾根ー前穂山頂15:30ーバリエーション登山道ーA沢?下降登り返しー地震17:20ーバリエーション登山道登り返しー前穂山頂直下18:00ー岳沢小屋19:35ー上高地20:58ー徳沢ロッジ22:30
昨日の疲れからか、目覚まし鳴らなかったからか、寝過ごしてゆっくりスタート。貸し切りだから急ぐ必要はない。
1,3,4ピッチ…Oさんリード 2,5ピッチ…自分リード
■1、2p目 左に回り込み凹角を登る 100m Ⅲ、Ⅳ
■3p目 ハング帯の切れ目を右に出てバンド 25m 5.10−
■4p目 トラバースーカンテー凹角 25m Ⅳ
■5p目 フェースー凹状部 Ⅲ 30m
今回も3p目のハングしてるところが難しかった。前回はA1していったが、Oさん、「アブミはいらない。A0していける。」と言う。でも難しかった。成長してない。
4p目のトラバースも悪くて、Oさんも「なんで2p目と4p目が同じⅣなのか?わけわからん。」と言っていた。ほんとにその通り。
それでもスムーズに登攀終了したので、北尾根に継続することにする。奥穂、槍ヶ岳、その奥には剱、鹿島槍、白馬も見え、最高の天気だった。
前穂からはA沢を下降して、奥又白池へ戻ることにする。バリエーションルートの登山道を下りすぎ、登り返してA沢と思われる沢のガレをしばらく下った。あまりにも明神東稜が近すぎるような気がして、登り返してまた登山道に出てしばらくした時だった。
地面から押し上げられるような縦揺れの地震。その後、沢という沢から轟音が鳴り響いた。岩崩れで砂煙が舞い上がっている。今まで見たことのない穂高の光景を目の当たりにして、大変なことが起こっていると感じる。
あのままA沢?を下っていたら、今頃岩崩れで。。。と思うと怖くなった。迷って登り返したことで、命拾いした。運がよかったとしか言いようがない。Oさんのアルバイトでいつも疲れるけど、今回だけはアルバイトしてよかったと思えた。
二人考えることは同じ。また余震が来ると思い、遠回りになるが一般登山道で岳沢ー上高地へ下り、今日のうちに徳沢まで行く。そして、明日、奥又白池まで登り返してテントを回収することにした。
徳沢ロッジに電話し事情を説明し、到着が遅くなることを伝える。
岳沢まで飛ばした。その間にも余震が何回も来て、沢からの轟音が暗闇に響く。
満月に近い月が明るくきれいだった。地震がなかったら、奥又白池でお月見していたはずだったのに。
岳沢に着いたら一安心。「速かったですねー。」と泊客に言われる。心配してヘッデンの明かりを見ててくれたようだ。
余震が続くので、不安でみんなざわざわしていたし、テントを撤収して上高地まで下りようとしているパーティもいた。
前穂ー岳沢より、岳沢ー徳沢のほうが長くて疲れた。徳沢ロッジに着いたら、消灯時刻が過ぎているのに明かりをつけて待っていてくれた。しかも、個室(他のお客様にご迷惑がかかるから)とお風呂、カップラーメンまで準備してくださっていて、山小屋のありがたさを改めて感じた。
安心して眠りにつくことができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。
9月20日 晴れ
徳沢ロッジ4:50ーパノラマルート分岐6:00ー奥又白池8:00ー徳沢10:00ー上高地11:30
奥又白池への登り返しのアルバイト。空身だけど疲れている。でも、テントを回収しなければ。。。下山してくるパーティ7,8くらいとすれ違う。そのたびに事情を説明する。自分たちがテントに帰ってこなかったので、「地震で遭難したと思い、通報しようと思っていた。」と言われた。ふー。。。セーフ。早出してきてよかった。
みんな昨日、奥又白池に登ってきたが、地震後のA沢の岩崩れを見て、今日は登攀せずに下山してきたとのことだった。
奥又白池は今日もきれいだった。昨日、地震なんかなかったように、静かに穂高が佇んでいた。何度も穂高に「助けてくれてありがとう」と言いながら、下山した。
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