ゴールデンウィーク最終日は終日高曇りの南八甲田へ。
今回の目的は、八甲田のラスボス的存在である下岳北斜面の滑走です。
同行者は昨年も同斜面を滑っているスノーボーダーの友人。
睡蓮沼を出発し、3日前と同じく櫛ヶ峯を目指します。

この日はやけに遠くのものが近くに見えました。
陸奥湾も岩木山もやけに大きく見える。
のんびり歩いた3日前より40分タイムを縮めて、3時間ほどで櫛ヶ峯山頂に到着しました。
まずはガリガリの南東尾根を下まで滑ります。

尾根の後半は良いザラメで楽しめました。
休む間もなく次は下岳へ向かいます。

ひたすらトラバースが続く。櫛ヶ峯って大きいんだなあと実感。
景色や静かな雰囲気は最高でした。

徐々に高度を上げて稜線へ出ると、真っ先に登り返しラインの確認。
事前に地形図を見て考えていたラインは、日当たり良い稜線までたっぷり雪がありました。
ということは下はもっと埋まっているでしょう!OK!

続いて斜面チェック。
前の週に横岳から櫛へ行ったときに見ていたクラックの位置や、その他のクラックや雪崩の有無を確認します。
ノールしている下にクラックがあるみたい。これは要注意だな。

下岳山頂は遠かった。時刻は12時少し前。雪がちらついていて風も強く寒かった。天気予報ではこれ以上崩れはしないはずなので、心を落ち着け集中集中。
身を隠す場所もなくそのまま滑走準備に入ります。
北面を覗き込むと、雪は良さそうで滑走は特に不安なさそう。
ただ、急すぎて途中が全然見えない。クラックが突然現れたら怖いな。

ここを滑ったことのある友人がまず先陣を切ります。
数ターンで姿が見えなくなり、それから遥か下に豆粒のような姿が現れるまで1分ちょっと。とても長く感じました。
無線からクラックの位置や気を付けることなどの情報を受け取り、次は私の番。
途中でうっかりクラックの方へ向かってしまい、ライン修正のために一時停止。
友人をハラハラさせてしまったようでした。
再び滑り出したらあとは一気に下まで。
最近取り入れている「伸ばし荷重・曲げ抜重」が良い感じ。

写真だと伝わらないですが落差200m、壁のように見えました。

ようやくゆっくりご飯を食べたら、スキーを担ぎアイゼンをブーツに装着。
目星をつけていたラインを登ります。息が切れるような登り、嫌いじゃないな。

登りながら斜面をあらためて見ました。
1ターンの落差はどのくらいだったんだろうなあ。

稜線でシールを貼ったら櫛の山頂まで歩きます。この区間がとても寒くて長く感じました。
2人とも黙々と歩きました。

そして2度目の山頂。あまりの寒さに持っているものを全て着込みました。
考えてみたら2日間で5回もここに立っていました。
東斜面は真っ白で、もしかしたら少し雪が積もったのかもしれません。
警戒しながら滑り出すとまあまあの雪質。下の方は酷いストップスノー。
またまたシールを貼り直し、シールワックスを塗りたくって長い帰路へ。
こちらも長い道のりでしたが、疲れはあまり感じていませんでした。アドレナリン効果かな。。
パラダイス手前でようやくシールオフ。

気付けばヤマセが運んできた低い雲が垂れ込め始めていました。
ちょっと期待していたパラダイスは本日も地獄でした。
数年ぶりに鳥海山遠征をしなかったGWでしたが、地元の山でも充分過ぎるほど楽しむことができました。
これを板納めとするか、迷います。
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