今年のGWはR4を予定していたが、もうすでに氷が解けてしまっていてアイスクライミングはできないとのこと。ミックスだと難しくなるので、小窓尾根に変更。でも、小窓尾根長いよね。。。絶対。。。
【5月2日】晴れ-暴風雪
馬場島EL770 8:00-雷岩10:35~10:45-ビバークEL1980 14:00-テント入室15:00
白萩川左岸の林道を進む。何回か渡渉があるらしいが、工事用の立派な橋が架かっていて、幸先よさそう。タカノスワリへ取りつくのに、いよいよ渡渉。少し深そうなのでロープを出してもらう。水が冷たい。
高巻きして雷岩まで。結局、渡渉1回だけで済んだので、ラッキーだった。
雷岩からは急斜面を登る。小窓尾根の始まりである。藪漕ぎから雪稜となり、EL1980でビバークすることにする。雪と風が強くなってきたので、ちょうどよかった。
【5月3日】晴れ-ガス
ビバーク地5:15-ニードル-ドーム10:10-マッチ箱12:18-小窓ノ頭-15:13-三ノ窓17:13-テント入室17:52
少し寒いが、歩いているとちょうどいいくらいな感じ。風雪で先行パーティのトレースは無くなっていた。テン場から少し登ると、先行パーティのテント有り。今日も雪稜、藪漕ぎ、木登りを交えながら高度を上げていく。EL2121ピークを越え、核心部へ入っていく。
ニードルへは急な雪壁を登り、池ノ谷ガリー側へトラバースした。ドームも急な雪壁を登る。ナイフリッジっぽいところで2ピッチロープを出した。ピラミッドピーク、マッチ箱を超え、稜上に出た。前日の雪とそして流れるガスが、剱の威厳を高めている。言葉にならないくらい美しくて、何度もシャッターを切る。こんな景色に出会えて、本当に来てよかった。
小窓ノ頭、小窓王を目指す。アップダウンが多い。小窓王まで硬い氷化した雪壁をトラバースし、懸垂下降して三ノ窓まで。
悪天の天気予報だったのと、赤谷尾根の登山口が入山できなくなっていたためか、剱に入っているパーティは少なく、テントは先行パーティと自分達の2張だけだった。風が強いので、ブロックを念入りに積んだ。
【5月4日】強風-晴れ
三ノ窓8:15-中央チムニー8:45~14:00-三ノ窓(テント撤収)15:00~15:45-池ノ谷乗越16:25-長次郎の頭16:40-剱岳山頂18:05-テント入室18:50
中央チムニーなら登れるかもと、チャレンジする。が、なるほど。。。「夏はこの壁の入門ルートだが、冬は氷に覆われ絶悪となる。」と資料に書いてある通りだった。ベルグラのアイゼン登攀ではⅢ級がⅥ級くらいにレベルが高くなっていて、めちゃくちゃ難しかった。左のクラックにジャミングしたりアックスねじ込んだりしたが、スタンスなくて結局A0祭り。2ピッチで懸垂下降してきた。まだまだ修行が足りないな。やっぱり雪の剱はレベルが高い。思い知らされた。中央チムニー登れないで、R4なんて登れるわけがない。
今晩は剱の山頂でビバークなので、テントを畳み、池ノ谷ガリーを登る。ガリガリしてなくて、登りやすかった。 北方稜線では1回懸垂下降して、アップダウンを繰り返し、剱の山頂へ。
ちょうど夕日が日本海に沈む前で、鏡のように映っていた。ゆっくりと時間が流れていった。
無風だけどブロックを積んで、テン場完成。何度も山頂ビバーク企んでは挫折していたので、やっと泊まることができてうれしかった。もう何年もこの仲間とアルパイン頑張っている。本当に出会えたことに感謝。
でも、明日で下山。。。現実の世界に戻るのかと思うと、哀愁を感じた。
【5月5日】快晴
山頂5:55-早月小屋8:22~8:55-馬場島11:40
朝日で鹿島槍の双二峰が浮かび上がる。剱の祠にお礼をして、下山する。気温が上がり、歩きにくい雪だった。早月尾根の登山口近くには、ユキザサやコシアブラなどの新芽が出ていた。
長い長い小窓尾根の旅。また一つ剱の違う表情が見れて、満足だった。
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