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早池峰連山縦走(早池峰~中岳~鶏頭)とクライミング講習会の感想と

来ちゃった……。ダメかなって思ったんだけど、どうしても会いたくなって……。大丈夫大丈夫、絶対迷惑かけないから、ちょっとだけ…。

朝日と共に登りはじめた
夜明け前から登りはじめ。ちなみに夜明け前には私からの星空解説。オリオン座、木星、金星がきれいでした。

てな感じで行ってきました。早池峰連山縦走。いえーい!いえいいえい!私のチャレンジ山、踏破出来ましたー!

とっても素晴らしかったです。いつも道路から見るそっけない稜線にあんなにファンタジーな世界が広がっているなんて。

良い光があったら、光の先を撮りなさいって教わったけどなるほど。

ドラマティックな早池峰を登り稜線を下ると始まる縦走路は、岩を超え、倒木をくぐり、ぬかるみを超え。

ガスの中に浮かび上がる岩。かっこいい。

たった数kmに色んな道がギュッと詰まっていて秘密の庭に迷い込んだような夢の様な世界でした。そしてそこからもう一度明るい稜線に抜け、最後は穏やかな森を下りると唐突にあるアスファルトの道路。本を閉じて顔を上げた時のような現実に引き戻される感覚。よ、良すぎる……!

私が早池峰連山縦走したいという事に関しまして、ご心配からアドバイスくださった方々もいらっしゃるんですが。「山は逃げない」、確かにそうですが、私の健康はある日突然逃げるし命短し恋せよ乙女、「チャンスの神様は前髪しかない」って言いますし。「ノミの法則」と「イカロスの翼」は常に心に留めおきながら、でもチャンスが来たら絶対に乗ろうと思っていました。そして、自分のチャレンジに対する課題を自分で選ぶ所から私の山はスタートしてるんで。

ご褒美稜線ゾーン。鶏頭山付近より、奥から早池峰、中岳。このあたり何度も立ち止まり振り返り。

以前にO内氏から教えていた「たがじょ有効活用方法」は2点。「サポートをお願いする山行」と「気になる人には直で連絡して交渉してよい」。

というわけで私のチャンスの神様、F氏に個人的に連絡をとり、サポートをお願いして行ってきました。「たがじょに計画出そうか?」と言われたのですが、私がナーバスになりそうなポイントがあるので何度か一緒に歩いたことのあるF氏のみでお願いしました。

朝日に輝くチャンスの神様。

でも蓋を開けてみたら、ナーバスポイントが一番楽しく、ほんと楽しくて、ヤダ私ったら何をそんなにナーバスになっていたのかしらみたいなミャハ。って感じです。それもこれも皆様のおかげです。

瞬く間にガスに飲まれるチャンスの神様。早池峰山頂からガスっていうか、霧雨っていうか小雨っていうか。
でも、根拠あっての続行というのと、撤退ポイントは事前にちゃんと打ち合わせてます。

先日のクライミング体験会の感想とボルダリングジム

と、ここで唐突に先日のN塾夏の特別講座の感想です。

これは本当に行っておいてよかったし、更には外岩に触る前にボルダリングにいっておいてよかったです。F氏からは「ジムの6級クリア出来たら行けば良いよ」と教えてもらっていたけど全部クリアする前に行っちゃった。

外岩最初の課題のステップにおいては、「足で乗り込む感覚」というのがはっきりわかり、それまでずっと「ホールド握りすぎてる」と指摘されていたけれどもジムではさっぱりわからなかったのがあの岩では指先しか痛くならず、「なるほど」って感じでした。指の痛みが消えるか消えないかのうちにもう一度ジムに行ったら全然登りやすかったです。

二番目の課題では、全身を使って登っていいというか、今まで手足で登ろうとしていたから駄目だったんだんだなと。もっと岩に体を預けて良いし、その時に「地球の中心に向かって押すように」と教えて頂いたんですが、そんな感じなんだなと。

三番目の課題は、その押す方向がずれて次の一歩が上手く乗れなかった。という感じで、もっとピンポイントで、針山に大量のマチ針を上手く差すような感じで行けば行けたんじゃないかと(伝わって)、帰り道、車を運転しながら「もう少しなんとかなったのでは」と悶絶しました。

それ以外にも良かった点が2つ。この2つが特に今回の縦走に大いに役立ちました。

1,高度感の何が怖いかが分かった

一番最初に登っている最中ふと「これ、どうやって下りるんだろう」と思った途端に怖くなったのですが、その時に「下りるときはちゃんと教えるから、今は登ることに集中して。」と言われ、気持ちが落ち着いた。

二番目の課題を登ってO氏に「下見てみろ!怖いぞ!」って言われて下を見てみたのですが、なんか怖くなかった。

以上2点から、高度感の何が嫌いかというと「下りれなかったらどうしよう」という点なのかもという結論に至りました。

怖くはないけど、濡れて滑るから座っちゃう。安全第一。1mは一命取るってね。

2,ジムでの練習が有効であるとわかった

私の父は昔、バイクで障害物を超える大会に出るために河川敷でブロックを何個か重ね、それを超える練習をしていたそうです。ところが大会当日出てきた障害物はブロックどころかブロック塀位の高さで「え、あんな練習でそんなの無理。って思ったけど、お父さんたら越えられちゃったのよ。(かっこいい♡)」という私の母から50回位聞かされたノロケ話があるのですが、この話を聞いて私は「基本の動きができていれば/基礎を積み重ねれば応用はクリアできる」という教訓を得、以降何かに取り組む時にそれに倣っています。

とはいえ、黙々と一人ジムに通うのも「はたしてこれはどう役にたつのだろうか」との疑問も生じるわけで、それが、外岩の2番目の課題がなんとジムの6級課題にそっくりで、「あ、ジム練って役に立つんだ」と。

「大丈夫だったね」って満面の笑みのあと足を滑らせて半ベソになった。油断禁物。

ひいてはそれが、かねてから縦走チャンスを狙って黙々と階上岳に登り、それ以外は山に行かずともできる地味トレを行っていたのですが、それらに対する自信にも繋がったのでした。もしかしたら勘違いかもしれないけど、思い込みって大事なんで。Yes I can.

というわけで、先行きの不安はF氏に任せて、もしかしたら思い込みかもしれない自信を引っさげてアタックできたので、無駄な恐怖心なく楽しめました。ほんと、一番中岳周辺の岩パートが楽しかったのは、あの講習会での様々な気づきのおかげかと。

下りるところは先行してもらいました。今みると、結構雨ぽいな。

基本はやはり大事

そして、縦走前の最後の山に某ガイドさんというかふくろう氏にプライベートツアーをお願いし、もう一度基本の復習。ちゃんと公式LINEからオーダーしたのに私だってばれてました。

で、こちらも本当に良かった。行動食の相談したりね。

お盆の時に閃きました。このサイズ良くない?コーラでブースト。

即取り入れ可能な小技はもちろん取り入れたのですが、一番よかったのが縦走ラストパートの鶏頭山からの下りでのこと。

それまで気を張っていたのが単調な下りに疲れがでてきて、ちょっとした段差も「これってどこに足を置けばいいんだろ」って感じになり、一度小屋で休もうという事に。小屋でザックを下ろした瞬間脳内で響くふくろう氏の声

「下山前のストレッチはとても良いですよ。」

そう。ストレッチ!前日夜も、当日朝も、途中の休憩でも隙をみてストレッチをしていたのに、本格的な下りパートとなったら早く下りたくなってすっかり忘れていたストレッチ。そういえば、下山前に有効なストレッチを教わっていたわ。

てなわけで、小屋でストレッチをし無事復活出来ました。やっててよかったふくろうゼミ!

ラストパート鶏頭からの下り。木漏れ日でふくろう氏のガイドを思い出した。

下山中ずっと、F氏と「どちらがふくろう氏の良さを知っているか」を競うように語り合いました。

まとめ

他にも、最後の下りパートが「激下り」と書かれていたので東岳の月光の滝ルートみたいなものかと思っていたら、案外そうでもなかったり。強く意識していたわけではないけど、潮風トレイルあたりから、「低負荷かつ長時間/長距離の活動」をじわじわとできていたのも、故障せずに体を作っていけた要因だったなとか、小雨の中歩いた八甲田とか、直近の早池峰情報を教えてくれたCちゃんとか、たがじょ入ってからの皆さんと歩いたことがとても有意義だったなと。

数年前まで、土日どちらか出かけると翌日寝込む様な体力だったんで、踏破出来た事が本当びっくりです。

「いや、俺は最初から『大丈夫』って言ってたでしょ。歩けるって思ってたけど。」

ってF氏がおっしゃってましたが、私がF氏から教わった中での一番の学びは

「『大丈夫』っていう奴ほど大丈夫じゃない。」です。

なんかほんと、たがじょのみなさんって面白いですよね。みんな大好きです。これからもよろしくお願いします。

今回のビクトリーロード。駐車場への道。登山口で他の登山客の方に「縦走してきました」って言ったら拍手してくれた。
コースタイムカンペ。左から私の案、私の案2(デッドライン)、F氏が想定した私のペース。終わってみたらトータルの時間がF氏案とほぼ一緒だった。すごいっす。私の計画は岩手日報社のコースタイムを参考にした。F氏の色んな対応は、計画段階からとっても勉強になりました。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8601034.html

細かい記録はヤマレコにて。

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